澤口雅彦レポート~さわレポ2~  ー想いー

久しぶりに戻ってきたシティライトスタジアム。
ジュビロ磐田戦 1日前の4月3日、スタジアムの前日準備のため約2年振りにシティライトスタジアムを訪れた。
空の様子は雲が少しあるものの、陽が差していて暖かい気候。

私がスタジアムに着いた頃には、協力会社の皆さんがすでにテントの準備をされていた。
集合時間より少し早く着いた私は、スタジアムの周りを散策することにした。

公園で無邪気に遊ぶ子ども達や、広場でボール遊びをする親子、ウォーキングやランニングを楽しむ夫婦など、岡山県総合グラウンドにはたくさんの人たちがいた。

改めて素晴らしい環境だと思った。
体を動かすことの大切さ、スポーツをすることで日常のストレスから解放される。さらにスポーツを通して会話が生まれ、笑顔があふれる。
スポーツの可能性を感じた瞬間であった。

集合場所に行くと、普段はスーツ姿のフロントの戦士たちが、ラフな格好やペナルティの服を身にまとっていた。

その様はなんて表現したらいいのか…。初めてサッカーを始めますって感じ、いや運動会の運営をする先生という表現の方が合っているか…。

時間になると軽いミーティングをして、各自の持ち場に散っていく。
私の役目は力仕事。
人工芝が数十枚重なったものを3、4人で力いっぱい押してキレイに置いて、また押してはキレイに置いて。その繰り返し。
ゴールにネットを掛け、隙間がないか確認しながら設置し、ハンマー投げのネットを十数人で移動させる。

続いてトイレのセッティング、案内看板のセッティング、階段の進む方向の赤い矢印に至るまで、全てセッティングする。
4月17日水戸ホーリーホック戦も、階段の赤い矢印は澤口が設置している可能性が高い。笑

こんな細かい所までフロントスタッフがやっているのだと、初めて知った。
私は選手として表舞台で賞賛される機会もあったが、その時、どんな想いで裏方の仕事をしていたのだろうと思った瞬間だった。

年代もさまざまなフロントスタッフ。
「普段運動しないから、前日準備は大変だ」とつぶやく人や、準備中に足がつってしまう人も。
夜寝ている時に足がつるからと、休憩時間に自分でマッサージを行う人もいた。笑

今はコロナの影響で、前日準備はボランティアの皆さん不在で行っている。
ボランティアの方の存在は偉大である。
元選手として、この場を借りて感謝申し上げます。
「ありがとうございます!」

昔は試合の前日練習をスタジアムで行うこともあり、ボランティアの方が準備している姿を目にする機会があった。

挨拶すると笑顔で返してくれる方ばかりで、元気をもらっていた。
こんな大変な作業をされているのに、笑顔で選手達に挨拶を返してくれていたなんて。

ファジアーノ岡山に対する愛が深い。
こんな存在の皆さんがいることを、選手は決して忘れてはいけない。
この想いを背負ってプレーできる選手、責任を力に変えられる選手ならば、さらにプロとして成長できると私は思う。

いろんな方の想いのもと実現しているホームゲーム。
今後の選手達のプレーに期待する。


澤口雅彦
ファジアーノ岡山に2009~2018シーズン在籍し、2020シーズンをもってプロサッカー選手を引退。
2021年3月下旬に株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブに入社し、新設した『クラブコミュニケーター』として、事業部門、および普及スクールコーチを担務し、地域とクラブの発展に寄与する活動をしてまいります。


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