ファジアーノ岡山に帰ってきて一週間。
サッカー選手を引退し、ビジネスマンの道を選んだ私。
政田の芝を踏むことはなく、パソコンと向き合う日々を過ごしている。
時にはスタッフに同行し企業を訪問したり、4月から開始されるスクールの視察をしたりしている。

勤務初日、不安と期待と感情が入り混じるなかで、9時から始まる朝の会議に間に合うように余裕をもって家を出発。
忘れ物がないかと何度も確認をし、出発したものの事務所内で履くスリッパを忘れる。
選手だったら、政田に行くのに靴を忘れていては話にならないが、そこは選手の時とは違うところ。コンビニにスパイクは売ってないが、スリッパは売っている。

そんなこんなで慣れ親しんだ道を進む。百閒川の横の長い直線みち。
2018年の冬に契約満了を告げられたあの日、この道を複雑な気持ちで車を走らせたことを今でも思い出す。
そんな道を再び政田に向かって走らせているのは、感慨深いものがある。

徐々に見えてくる政田サッカー場。
たくさんの仲間たちと激しくぶつかり合った緑のピッチ。
楽しいこともあったが、苦しいことがたくさんあったこのグラウンドで戦うことはなく、これからは主に事務所の中にいることになる。

コンビニで買ったスリッパを履き、いざデスクへ。
スーツを着て席に座る私を、かつての戦友 西原誉志がいじってくる。

迎えた9時の朝の会議。
社内の会議はパソコンの画面を通して行っている。
コロナ禍においてはオンライン会議をされている企業は多いのではないか。
ファジアーノも例外ではなく、ずっとこの体制だそうだ。
パソコンに映された証明写真くらいのサイズの社員の顔。
自己紹介はこの画面を通して行う。
立って挨拶するものだと思っていたが、座っての挨拶になり、画面に向かって話すことに違和感しかなかった。
ちゃんと声は届いているのか、思いは伝わっているのか、反応が返ってきづらいオンラインでのやり取りの難しさを感じた瞬間だった。

自己紹介を終えるとそれぞれの部署が近況報告、課題提示、方向性の確認などを行い、情報を社内で共有していく。
それぞれの部署が取り組もうとしている話や、考えを聞くことは選手のときには、わかりにくい部分だったので、とても新鮮だった。
当然ながら新しい試みの話も耳に入ってくる。
常に前に進んでいこうとするファジアーノ岡山。そんな姿勢を私自身も示していきたい。

朝の会議を終えると、パソコン操作のレクチャーが始まった。
選手の時は、普段からパソコンを使用することがなく、エクセルの操作は大学の授業以来。
アドレスの設定など一からのスタートとなった。
メールのやり取りやスケジュール管理、出退勤から、体調管理もすべてパソコンで行っている。フロントスタッフも選手同様に毎朝の体温チェック、行動記録を入力していて、組織全体でコロナ対策を行っている。

政田のクラブハウスの中は、コロナ対策の一環で選手たちのいるロッカー側と、フロントの事務所側が行き来できないように区切られていて、まだ選手の顔を見ていない。
そんな状況のなか、空気の読めないチーム一声のでかい選手が事務所をのぞき込んできた例外を除いて…

今週のジュビロ磐田戦は個人的にも非常に楽しみにしている。
選手たちの活躍を観られることはもちろんだが、ファン・サポーターの皆さんに久しぶりにお会いできることを嬉しく思う。
シティライトスタジアムであの熱を感じられる日々が帰ってくる!

これから、クラブコミュニケーターとして地域の発展に貢献することと、クラブの発展のために私の目線で感じたことを発信していきたいと思う。

今回は初日の様子をお伝えしました。
これからも定期的に書くので、ぜひ読んでください。

 


澤口雅彦
ファジアーノ岡山に2009~2018シーズン在籍し、2020シーズンをもってプロサッカー選手を引退。
2021年3月下旬に株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブに入社し、新設した『クラブコミュニケーター』として、事業部門、および普及スクールコーチを担務し、地域とクラブの発展に寄与する活動をしてまいります。
この『さわレポ』では、澤口クラブコミュニケーターが日ごろ感じたことなどを、定期的に発信していきますので、ぜひお楽しみに!


 

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